~「カックン折れ曲がる吉野川」誕生のヒミツ ~

池田エリア

カックン折れ曲がる吉野川は偉大だった!

地区の特徴

Ikeda Area

池田エリアは、カックンと吉野川の流れが東へ折れ曲がる場所です。この折れ曲がりによって、徳島県をはじめとする四国北東部の様々な文化が誕生しました。
このカックン吉野川の流れが生み出された背景には、日本列島を貫く大断層「中央構造線」が関係しています。
池田エリアには東西方向に中央構造線が貫いています。この中央構造線のこれまでの活動(断層運動)によって、土地が隆起し、崖ができ、山ができ、川の流れが変わる…という大きな土地の変化がもたらされました。
そんなそのドラマの始まり、それは今から300万年前まで遡ります。

カックン折れ曲がる吉野川の成り立ち

南から北の方角を斜め上方向から俯瞰した図

  1. 300万年前以前

    讃岐山脈はなく、吉野川は北(香川県の方)に流れていました。

    この時代、中央構造線はありましたが、現在みたいなずれ動き方(右横ずれ+北の大地が盛り上がる)をしていませんでした。この当時の吉野川は北側へ向かって流れていました。

  2. 300万年前〜

    中央構造線の活動が度々ずれるごとに北側の大地が隆起し、讃岐山脈ができ始めます。

    300万年前にフィリピン海プレートの沈み込む方向が変わりました。そのことで、中央構造線がずれ動き始めます(右横ずれ+北の大地が盛りあがり始める)。
    吉野川はまだ北へ向かって流れ続けています。

  3. 100〜200万年前

    北(香川)の方へ流れていた吉野川がカックン!と東へ流れを変えました。

    度々ずれ動いてきた中央構造線。その活動によって北側の大地が盛り上がり続け、ついに吉野川は流れる向きを変えてしまいまいした。

  4. 現在

    川の流れの変化は、香川県や徳島県の様々な文化ができるきっかけとなりました。

    川が流れなくなった北大地(香川県)は、讃岐山脈がさらに高くなったことで降雨が少なくなり、大きな河川も無くなりました。そのため水に苦労する地となりました。しかしそれを逆手にとって栽培されたのが「小麦」。香川のうどん文化を築くきっかけとなったのです。そして徳島県を流れるようになった吉野川は、洪水を度々引き起こしました。それを逆手にとって栽培されたのが「藍」。藍は吉野川の氾濫によってもたらされた土壌が生育した作物で、徳島藩の経済を支える「阿波藍」産業へとつながるきっかけとなりました。

吉野川が作る池田エリアの大地の成り立ち

真上からの俯瞰した図

  1. 1. 100万年前

    東へ流れを変える

  2. 2.

    平野ができる

  3. 3. 数十万年前?

    讃岐山脈から山が崩れてくる①(川がせき止められる)

  4. 4.

    シンヤマの北側を川が流れる

  5. 5.

    讃岐山脈から山が崩れてくる②(マルヤマ)

  6. 6. 数万年前

    マルヤマの北側を川が流れる・池田の平野、段丘、断層崖ができる

この景観や自然環境をみんなで守りましょう。
私たちの大切な地球は、皆様の温かい心によって守られています。ゴミを捨てたり、大切な資源(岩石や植物など)を採取しないようにしましょう!
※このエリアには、その他の法律・条例によって守られてるものもあります。

池田エリアのサイト一覧

ジオサイト

ジオサイトとは、守るべき大地の特徴が見られる場所を指します。

池田断層 断層崖

池田町の市街地には、いくつかの段差があります。そのうちの一つに、池田町ウエノ地区とマチ・サラダ地区の境にある高さ20~30 mの崖があります。
この崖の真下には、中央構造線活断層系の一つである「池田断層」が東西方向に貫いており、それに沿って崖があります。この断層は一度動くと、右に数mと北の大地が数十cmずれ動き、それは過去になんどもずれ動いたことによって作られた崖(断層崖)なのです。

Google マップ

猪鼻道路の中央構造線

池田町州津から香川県へ抜ける国道32号線(通称:猪鼻道路)の法面に中央構造線活断層系池田断層の露頭があります。
露頭の希少性から4つの保護カバーがかけられており、その一番南側の保護カバーでは池田断層の断層面を、そして北側の保護カバーに向かうにつれて断層運動によって破砕された度合いが弱くなっていく様子を観察することができます。ここでは、池田断層断層面の南側は吉野川堆積物の礫層、北側には断層破砕帯(和泉層群)があります。
※保護カバー沿いには歩道がなく近づくことはできません。道路を挟んだ側から露頭全体を見ることができます。

Google マップ

シンヤマの地すべり塊

中央構造線は地質を分ける大断層です。三好ジオパーク構想エリアでは、中央構造線のすぐ北側は砂岩や泥岩から、反対に南側は結晶片岩から大地ができています。
シンヤマは中央構造線の南側にある小高い土地で、その大地は砂岩や泥岩からできています。これは昔、北側の讃岐山脈ができ始めた時代に、その山腹の一部が地すべりを起こし、中央構造線を超えてもたらされたものだと考えられています。

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西山の地すべり地形

池田市街地から北側の讃岐山脈の中腹には集落がいくつかあり、その中の一つに西山集落があります。西山集落の緩やかな斜面という土台を作ったのは、過去の地すべりです。

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井ノ久保の地すべり地形

井ノ久保地区には、複数のブロックからなる地すべり地があります。
この地すべりが起こったことで、南側にある馬路川がせき止められたと考えられており、
その名残として、馬路川はとても川幅が狭くなっている様子をみることができます。

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中西の()(せい)(だん)(きゅう)()(とう)

池田町中西地区の道路裏面に、様々なサイズ、形の礫が地層になっている様子を観察することできます。
これは河成段丘を作る昔の吉野川の堆積物です。

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カルチュラルサイト

カルチュラルサイトとは、大地と関係した守るべき文化が見られる場所を指します。

池田城跡の石垣

池田町ウエノには、阿波九城の一つとして知られる池田城の城跡があります。池田城は1638(寛永15)年の一国一城令により廃城となりました。阿波九城時代の「落とし込み」「野面積み」「算木積み」の石垣が城址の名残としてみることができます。また、石垣には、中央構造線を挟んで南側と北側の両側の岩石が使用されており、ちょうど中央構造線で作られた断層崖上に城が建っていたことを感じ取れます。

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箸蔵寺の高灯籠

箸蔵寺は讃岐山脈中腹に位置する寺院で、その参道途中には「川の灯台」と呼ばれる高灯籠があります。高灯籠は、道路が発達する以前、交通路として活用されていた吉野川の水運にとって大事な存在でした。夜、下流から上流へ航路を取る中で、この高灯籠の灯火が船の運航を手助けしました。

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(はく)()(ゆう)(すい)

へそっ湖大橋のたもとには湧水が出る箇所があります。この湧水は、中央構造線の活動の恵みといっても過言ではないかもしれません。
中央構造線の周辺には岩石が破砕された場所がいくつもあり、それらが不透水層となる場合もあります。不透水層から少し離れた場所に水の集まるポイントができ、そこが湧水場所となっていると考えられています。なお、地域ではこの湧水を活用し、温泉の水として活用されています。

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エコサイト

エコサイトとは、大地と関係した守るべき生態系が見られる場所を指します。

(くろ)(ぞう)湿原と周辺森林

この場所は、山頂付近が平らになっており、周囲の山に染み込んだ水が集まりやすいこと、標高が高いため気温が低いこと、そしてアカマツ林によって貧栄養であることによって湿地ができています。湿原に生きる生物は多様で、今や国内、そして県内では珍しい湿地に生きる植物やトンボ類が多く見られます。

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